2006年11月21日(火)

車を12ヶ月点検に出しました。1時間ほどで終わると言うことだったので、近くの立川公園根川緑道を歩いて見ることにしました。

根川緑道は立川段丘の崖線の湧水を集めた小川でしたが、1972年に治水の為多摩川に水路変更されたのを期に、湧水に下水処理濾過水を加えた人口の流れと周りの緑地を整備したものだそうです。

国道20号線(甲州街道)多摩川を渡る日野橋の手前に、緑道に降りる入口があります。
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元々根川を跨ぎ、川原の葦を見下ろす「葦見橋」が架かっていた所です。

ここから下流に桜の土手を行くと、多摩川に通じています。
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20号線の下を潜り、上流の湧水口を目指して、約1kmの散策路を行きます。

散策路の彼方此方に、立川に縁の歌碑や句碑が静に佇んでいます。
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池田 澄子(1925-1996)の
『茜雲 あえかに残り 亡母(はは)の背の 温みなつかし 武蔵野暮るる』

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若山 牧水(1885-1928)の
『多摩川の あさき流れに石投げて あそべば濡るる わが袂かな』(歌集「路上」(1911))

玉石垣に石橋の下のせせらぎ。両側に住宅が密集しているとはとても思えません。
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水原 秋桜子(1882-1981)の
『初日さす 松はむさし野に のこる松』(句集「葦刈」(1939))

途中には、清流の上に張り出した四阿もあります。
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上を多摩都市モノレールが走っています。
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(「甲州街道」⇔「柴崎体育館」間)

清流に沿った木々の下を歩いていると、気持ちもゆったりしてきます。
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若山喜志子(牧水妻、1888-1968)の
『ひとりゐは あさこそよけれ わか竹の 露ふりこぼす かぜにふかれて』(歌集「芽ぶき柳」(1951))

根川緑道の源湧水口です。
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湧水口の先で緑道は新奥多摩街道に出ます。

ここからは、色づき始めた銀杏並木の新奥多摩街道を甲州街道に向かって戻ります。
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途中、街道を横断し、下水処理場の横を多摩川の土手に向かうと、左手に日野の渡し碑があります。
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碑に曰く
『かつて信濃甲斐相模への人々は この渡しを過ぎると 遠く異境に来たと思い
江戸に向かう人々は 江戸に着いたと思ったという』 と。

この辺りが昔の渡し場でしょうか。今は薄が生い茂るばかりです。
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爽やかな秋の日、約1時間の小散歩でした。
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